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teena RED book Girls' Band Edition

exist†trace

“ロック女子カッコいいだろう!”と胸張っていきましょう!

楽器を始めようと思ったきっかけは?
miko:私は、もともと小さい時からピアノを弾いていたんですけど、たまたま母親のアコースティック・ギターが家にあったので、これもちょっといじってみようって。 “なんか楽しいな、いい音だな”っていうところから、しばらくアコースティック・ギターをさわっていたんですけど、そのうちロック・バンドも聴くようになり、エレキ・ギターを弾き始めて、気づいたらこうなってました。
Mally:人前で演奏することがすごい好きというのもあり、幼少期に吹奏楽をやっていて、当時はトロンボーンを担当してました。で、その時に学校の授業でドラムとかベースありの合奏をすることがあって、そこで興味を持って、ドラムを始めたのがきっかけです。もともとバンドが好きでっていうのじゃなくて、楽器を演奏するのが好きってことがきっかけで始まりましたね。
バンドを、やりたいと思ったきっかけは?
miko:ひとりでコピーをするうちに、他のパートとも合わせてみたくなって、友達と合わせてみたら楽しくて。ただ私の場合は、演奏するだけじゃなくて、オリジナル曲を自分で作って、それをバンドでやったら面白いんじゃないかなっていうのがあって。で、バンドを探して出会ったのが、今のメンバーなんです。プレイヤーとして弾けるようになりたいというのと同じぐらいのスピードで、作りたいっていうクリエーター的な衝動もあって……ちょっと変わったタイプなのかもしれないです。
Mally:自分の場合は、誰かに憧れてたわけでもなくて、ドラムが演奏できるということで、ベースの猶人から“バンドやってみない?”って誘われて入ったんですけど、そこからバンドをやっていくうちに、ドラムの魅力にどっぷりハマるようになりました。
いつごろからプロを意識しましたか?
miko:私は、exist†traceに入った時に、プロになろうと思っていました。その前に友達と一緒に合わせたりしてた時、すごくプロ意識を持った女の子がいて、 “私は練習量では人に負けないつもりでいるし、絶対プロを目指す”と言ってたんです。その時はプロとかアマチュアっていう意識もなくやってたんですけど、音楽に対して真剣にやってる人が身近にいて、“プロになるっていうのもあるんだ”って気づいて、真剣にやるのであれば、ちゃんとしたバンドに入らなければと思って、今のバンドに入りました。
Mally:最初はそれこそ本当に楽しいだけでやっていて、全然プロ意識なんてなかったんですけど、mikoの本気度が感染してきて、“これはちょっと食っていきたいというより、食っていかなきゃ”みたいな義務感というか、そう思わなきゃやっていけないなって思うようになりましたね。
10年あまり一緒にやってこられた中で、笑えるエピソードなどありますか?
Mally:ライブやるのに、衣装って大事じゃないですか。最初の頃、衣装って、どうやって合わせればいいのかわからなくて、まずは無地の黒いシャツを5枚買ってきて、“ここから何か加工しよう”って。シャツっていっても、テロッテロのクルーネックのカットソーだったんですけどね(笑)。そこから研究しましたね。
ちなみに、普段のファッションの傾向は?
Mally:みんな、バラバラですね。ウチの5人は、趣味も考え方もバラバラなんですよ。
miko:聴いてる音楽もね。
Mally:そうそう。それがいい具合いにバンドに影響してるんですけど、私服に関しては、“どうやって集まったの、この5人?”みたいな。
miko:共通点は、“黒”ってことぐらい。
Mally:とりあえず黒い塊で(笑)。
一番ガーリーな人は?
miko:服装としては、私がやっぱり日常でもスカートを穿いたりするので。ただ、心としては違うよね(笑)。
心が少女っぽいのは?
Mally:少女っぽいかどうかは別として、ギャップがすごくあるのがボーカルのジョウで、少女マンガとか読むんですよ。見た目、あんなにキリッとしてるのに(笑)。
miko:最近、乙女の話をよくするんですよ、女子がキュンとするものを研究するって(笑)。
Mally:好きが高じてね。
miko:ある意味、男前だなって(笑)。宝塚の男役。
楽器を選ぶ上でのこだわりを教えてください。
miko:以前は、“やっぱり女子だよね”って、悪い意味で言われたくないっていうのがどこか根本にあったので、ESPのフォレストとか使ってゴリゴリの音出して、女っぽくない感じでやってたんですけど、今は逆に、女性ならではの良さというのも自分で理解していかないと、本当の表現者にはなれないと思ってるので、まだまだ途中なんですけど、そういう女性らしさみたいなところを音でも追及していきたいなって思ってます。だからってわけではないんですけど、ピンク色のストラトを使っていて……昔だったら絶対ピンクのギターなんて使わなかったんですけど、今はむしろ女性という武器というか、バンドの中でのキャラクターなので、そこを伸ばしていきたいなと思います。
Mally:リハーサルやレコーディングで、いろんなメーカーのドラムを叩く機会があったんですけど、自分の好きな音っていうのがわからなくて、先輩方に聞くと、みなさん“好みだよ”っておっしゃるんですけど、“好みってなんだよ?”っていうのが実際あって(笑)。そんな中、”一番これが好き!”と思ったのが、今使ってるSAKAEというメーカーのドラムなんですけど、生音でもしっかりローが出て、抜けもいいんです。ドラムって、パワーがダイレクトに出る楽器だと思うんですけど、SAKAEのドラムは男女関係なくすごくいい音が出せるんじゃないかって思ってて。とにかく、ひと目惚れに近い感じだったんです。シンバルはZildjianを使っているんですけど、シンバルの中で一番鳴りがいいと思ってて、一番好きなんです(笑)。
お薦め、あるいはこだわりの練習方法とかあれば教えてください。
miko:基礎練(習)もすごく大切なんですけど、それ以上に表現力というか、感性みたいなものを磨くことが本当に大事だなと思っていて。いくら技術的に上手くても、そういう感覚みたいなところが伸びていかないと……。例えば一音、ピーっと伸ばした最後の締め方だとかっていうところに、ギタリストのおいしさみたいなものがある気がして。練習というよりも、いろんな人の音を聴いて、ひとつ一つ肥やしにするというか、そういう時間も取る必要があるなって思ってます。昔は私もそういうことが全然わからなくて……最近になって、もっともっと細かいところをしっかり勉強したいなって思ってきたので、それこそ10代とかの若いうちにいろんなものを吸収できていたら、もっともっとすごい人になれたんじゃないかって(笑)。
Mally:ドラマーは、ギタリストとは真逆の位置にいるなと思うんです。感性だけではやっていけない楽器というか。こだわりの練習方法ってわけではないんですけど、演奏してる時に常に頭の中には手足のコンビネーションというか、ビートでも全部の音が聴こえるように意識しています。私の場合は、曲を練習する時に一緒に歌を歌いながらやるようにしているんですけど、そうすることで、歌と合わせるポイントがすごくわかってくるというか、その歌の重要ポイントでドラムがどう動けばいいのかっていうのを理解しながらやっていくようにしています。
ライブのステージングとかで、他とは違うこだわりみたいなものはありますか?
miko:私の場合、思うがままにやってるんで……たぶん見た目からは想像つかないステージング、“そんなに男っぽいの?”とか、別に意識は何もしてないんですけど“スカートはいてるのにそんなにやっちゃう?”みたいな(笑)。そういう自然な感じもひっくるめて、mikoという表現者であっていいかなって。たまに “ちょっとやりすぎたかな?”って思う時もあるんですけど、“それがいいじゃん!”ってメンバーは言ってくれるので、そんなもんかなって(笑)。男も女もカッコ良くてなんぼみたいな、ロックなんで(笑)。
Mally:ドラマーは動けないので、とにかく振り乱してはいるんですよ(笑)。感情の赴くままに叩いているので、それがすべてというか。あと、mikoが作る歌を後ろからも伝えていきたいと思っているので、プレイもそうなんですけど、伝えたいメッセージは絶対口ずさむようにはしてるんです。ドラムの音だけでは伝えきれない部分の感情とかを表情に全部出して、お客さんに伝えています。それは、わりと評判が良かったりしますね(笑)。
exist†traceはガールズ・バンドの中でも珍しくV系シーンに属していますが、結成当初からガールズ・バンドで、それもV系シーンで活動しようと思って始めたんですか?
Mally:バンドを組むなら全員女子がいいと思ってましたね。普通は“V系は男の世界だから”と思って諦めて別のシーンへ入ると思うんですけど、ガールズ・バンドがV系シーンでやっちゃいけないっていう概念がそもそもなかったんです。実際にバンド活動を始めたときに“アレ!? もしかして違う?”みたいな(笑)。それからは闘いの始まりでしたね。
miko:"女性だから"とライブを観てもらえなかったりしたことなどが逆に私達を燃やして、原動力になっていきました。
ガールズ・バンドの華やかさもありながら、男性バンドばかりのV系シーンで戦っているだけあって、とても硬派なイメージがあります。
miko:負けん気精神が、バンドをよりハードでより硬派なイメージに変えていったところはあると思います。衣装の面でも、もともと男性的なスタイルが似合うメンバーが多いので、スカート穿いたり肌を出しているのも私くらいだし。いやらしくなくスタイリッシュに見えるようにと、意外と肌の露出具合いは計算してます(笑)。
Mally:性別を感じさせないサウンドを目指しているので、その感じも滲み出ているのかもしれませんね(笑)。
もともとV系の音楽が好きだったんですか?
Mally:自分以外はV系を通ってますね(笑)。自分の場合、テレビから流れてくるものしか聴いてこなかったんで……その中にPIERROTさんとかLUNA SEAさんっていうのは入ってきてはいましたけど、あえて聴くという感じはなかったです。自分だけ違う感性が入ってるので、それはそれで役立ったらいいなって(笑)。
Mallyさんは具体的に憧れた人がいないっておっしゃってましたけど、バンド活動していく中で尊敬できるドラマーの方などは現われましたか?
Mally:パフォーマンスをすごく勉強させてもらったのが、MERRYのネロさんです。言い方は悪いですが、野獣のような叩き方をしていて、ここまでアグレッシブなドラムができたら女性でも目立てるなって。どうやって目立つかっていうのが、いつも頭にあったんですけど、ネロさんはすごくカッコ良くて、音も特徴のある方なので、いろいろ参考にさせていただきました。
miko:ギターを始めた頃は、PIERROTさんがすごく大好きで、コピーもしていましたが、潤さん、アイジさんに大きく憧れたかというとそうでもなかったんです。でも、彼らの作る楽曲にはすごく憧れるというか、影響を受けながらやってきて、それこそ潤さんがギター・シンセを使っていたので、私もやってみたりもしました。それから、BUCK-TICKの今井さんに憧れて……ギター・ヒーロー的な方ではないけれど、楽曲とかギターのプレイとか歌詞とか、きっと頭の中にある宇宙に、スルッと落とし込めてる方だなって思って。ただ上手いとか、ただいい曲を書くとかっていうことではなくて、私もすごく妄想族というかいろんなことを想像するのは好きなので、ああいう表現の形というか、私も自分なりの宇宙を表現したいなってものすごく思います。
ステージ衣装も含めたヴィジュアル・イメージは誰が考えているんですか?
Mally:今はそれぞれですね。
miko:好きなことをやったら、このバランスになったって感じですね。
Mally:昔は、そこそこテーマを固めて、こういうイメージで、みたいなのはあったんですけど、そういうのをやっていくうちにバンドとしてまとまりが出てくるようになったので、だったら好きなものにしてみようかって感じでそれぞれやって。
miko:撮影とかライブの当日になるまでどんな感じにキメてくるのか、よくわからないんです。でも、それでバッと合わせても、なんとなく形になっちゃうのは、やっぱりそれだけ長くやってるからってことかもしれないですね。
Mally:今回の自分の衣装は、スポーティ感を重視してて……バンドを始めた頃は、V系という塊でそこにいなきゃって思ってたんですけど、ある時からV系ではやってないようなことをやりたいなって思い始めて。逆の発想だったり、まだ誰もやってないことをやるようになって、今も衣装とか、新しいものをどんどん取り入れていってます。
バンドの中での役割分担はあるんですか?
Mally:無意識にありますね。ジョウは、キリッとシュっとした男装の宝塚イメージ。そこに近いところにはいるんですけど、乙魅はわりと硬派でクールなイメージを持っていて、猶人は闇を……とにかく黒い(笑)。mikoは唯一の紅一点というか(笑)。
miko:おかしい(笑)!
Mally:全員、紅なんだけどね、女形風というか。
miko:一応、女性バンドなんで(笑)。
Mally:自分は、なんだろう? アクティブ系?。
miko:太陽みたいな。
Mally:パッションだね。
バンド・リーダーはmikoさんですよね?
miko:はい。もともとリーダーを決めない方針だったんですけど、活動してく中で意見をまとめなきゃいけない時が出てきて……。私が9割ぐらい曲を書いているので、音楽性とか私にかかってくるっていうのもあって、“じゃ、リーダーやるよ”みたいな感じで、いろいろまとめてはいます。でも、Mallyはスタジオでガンガン意見を出してくれたりもするし、ちょっと他のバンドの形と違うかもしれないです。私としては、メンバーそれぞれが、“自分がリーダー”だと思ってるぐらいな感覚がいいですね。
exist†traceはこの5人が出会って10年あまり。長く続けていける秘訣みたいなものはありますか?
Mally:基本的には仲が良いことですね。ライブのことになると、感情的になる時もありますけど(笑)。意見をちゃんと言う事は必要だと思います。あとは、あまりプライベートなことをバンドの中に持ち込まずに、バンドはバンド、プライベートはプライベート、みたいなところですかね。
女の子だけのバンドのいいところ、悪いところについて教えてください。
miko:私たちはサバサバしてるというか、さっぱりしたタイプが多いので、喧嘩して引きずったりというのはないですね。悪いところ……女性だからこその中途半端になっちゃう部分っていうのは、意識して気をつけてますね。
Mally:たまに対バンとかで、遊び半分でやってる感じのバンドがいて、“おい、ちょっとまじめにやれよ”っていうのはあります(笑)。あと、自分たちの性別に段々迷い始めてて(笑)、特に楽屋なんですけど、女の子がワッといる中に若干気まずくて入っていけないっていう(笑)。逆に、男性がワッといる中にも入っていけなくて、どっちつかず、みたいな。いろんなライブハウスに出るようになって、ゲイの人たちとすごく仲良くなって、わかり合えたりして、“なんだろう、自分たち”って思うところもあります(笑)。
アルバム『WORLD MAKER』について教えてください。
miko:1stアルバム『VIRGIN』の時は“こういうものを作りたい”みたいなのがしっかりあって、それはミュージアムみたいなイメージだったんです。美術館に1曲1曲、完成された絵を並べていくみたいなイメージだったんですけど、『WORLD MAKER』はそういうのがあまりないというか、とにかく生まれた楽曲をライブでどんどん披露していって、その中で自分たちexist†traceとすごくマッチするなとか、今後の展開が見えるなっていう曲をさらにライブでやって成長させていったというか、そういう曲がたくさん収録されているんです。最初から“こういうアルバムを作りたいから、こういう曲を作ります”じゃなかったので、現在のexist†traceの形を表現するというか、“今はこれです”みたいなものになったと思います。……でも、実はすごく不安というか、納得行かない時期があって……収録曲を聴いて、1曲1曲はすごく気に入ってるけど、アルバムとしてバランスは大丈夫なんだろうか?って。でも、そんな時に1曲目の「WORLD MAKER」が生まれて、サウンドも歌詞も含めて、この曲が生まれたことで、一気にこの12曲のバランスが取れて、これを入れたら今のexist†traceですよって言えるって、突然納得がいったんです。最後のピースがハマってくれたことで、exist†traceというものが今も現在進行形で好きになっていっていて、どんどん自信というか、本当に今までやってきたことは間違ってなかったなって、このアルバムで再確認できたと思っています。逆に次どうするかっていうところで、今ちょっとハードルが高くなっちゃったなと思うんですけど、もっともっといい音楽をやって行きたいなってすごく思ってます。
Mally:唯一レコーディング前のライブで披露しないで収録されたのが、表題曲の「WORLD MAKER」なんです。他の曲はなんとなくドラムの音もイメージができてたんですけど、この曲は無難に行くと無難な曲になってしまうので、すごく不安はあったんですよ。そこで、エンジニアさんとかとドラムの方向性について話し合って。ちゃんといい物にしたいし、聴いてくれる人にも納得してほしいから、ドラムの音に自分らしさも入れつつ、ロック感を失わずにちゃんと底上げできるドラムをっていう想いでレコーディングした曲です(笑)。
現在のガールズ・バンドのシーンにおいて、exist†traceのポジショニングはどうありたいなと思っていますか?
miko:ガールズ・バンドって、どうしても色物みたいに捉えられることが多いと思うんですね。でも、女性が楽器を持ってロックやってるっていうだけで、目を惹くものがあると思うし、目立てるって、すごく得なことだと思うんです。だから、私たちはどう見られようとも堂々と自分たちの信じる音楽をやって、男女関係なく認められていきたいです。それが結果的にガールズ・シーンを盛り上げることに繋がったらいいなと思います。
では、中高生のバンドをやってみたいなと思っている皆さんにメッセージをお願いします。
Mally:興味があることは、まず何も考えずに挑戦しちゃっていいと思います。壁にぶち当たっても、それを越えた時に見えてくるものもあるし。
miko:私たちもそれこそ何も考えずに飛び込んで、現場でいろいろ思い知って悔しい思いもしてきたしね。これから楽器とかバンドを始めようかなって思った瞬間に私たちの仲間だと思うので、怖がらずに、一緒に肩を並べて"ロック女子カッコいいだろう!"と胸張っていきましょう!

Profile

ジョウ(vo)、miko(g,vo)、乙魅(g)、猶人(b)、Mally(d)からなるロック・バンド。骨太サウンドと繊細さが共存したエモーショナルな楽曲と、男前なライブ・パフォーマンスが魅力。2011年6月に5TRACKS CD「TRUE」でメジャー・デビュー。

Album

「WORLD MAKER」
Monster's inc.
MOCD-1907
¥3,024(税込)

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